堀こどもクリニック

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2021/01/03クリニック

HPをご覧になった方への年賀状

2021年 あけましておめでとうございます!

新型コロナへの対応に追われた昨年は、外出の機会も人と会う機会もなくなり、限られた生活圏の中で淡々と過ごす日常となりました。

新型コロナの第一波に見舞われた4月末のある朝、庭でウグイスの鳴き声がしました。その辺の山に行けばいつも聞こえる鳴き声ですが、庭で聞いたのは初めてでした。その日から一ヶ月以上にわたり、ほぼ毎日朝や夕方になると「ホーホケキョ…」と澄んだ声が庭に響き、心和む時間を過ごすことができました。市内の知人からも「庭でウグイスが鳴いていて感激したので」と鳴き声のボイスメモが届き、これが我が家だけの現象ではないことも知りました。その後人の外出や活動が減少したためと考えられる様々な野生動物の出現がマスコミで取り上げられましたが、人の営みと自然の関係を再認識させられる出来事でした。

連休の間は、待合室にお気に入りのコーヒーテーブルを置き、Bluetoothスピーカーで音楽を流し、コーヒーを飲みながら新聞を読んだり床に寝転んで過ごしたりしました。コロナで行き詰まったら、1組ずつ入れ替えのカフェなんてどうかしらと想像もしました。

陽の長い時期、診療が早く終わり余裕があるので、ミニチュアダックスのほづみを連れての散歩が習慣になりました。怖がりで人を見ると吠えるので、抱いたり降ろしたり頭を下げたりしながらの短い散歩で、運動不足の解消にはなりそうにありません。それでも続けるうちに顔を見ると散歩をせがまれるようになってしまい、寒風吹きすさぶ冬になっても続けています。

夏が近づき、駐車場の脇のプランターのパッションフルーツの花が咲き始め、見つけるたびに受粉しました。一昨年の台風の時、重いプランターが動いてしまうほどの強風でも、ツルがしっかり絡み合って実が一つも落ちずに耐えて驚きました。今回は15個あまりの実がつき、10月から11月にかけて数日おきに熟してポロんと落ちた実を拾いました。1年間の水くれの努力の成果はほんのスプーン一杯の果肉ですが、インフルエンザワクチンに追われる日々の間、爽やかな酸味と甘みを楽しむことができました。

数年来庭の山椒にアゲハチョウが卵を産み、それが育って羽化するのを楽しみにしている妻が、昨年は少しでも多くの卵や幼虫を守りたいと、卵や幼虫のついた山椒にネットをかけたりして保護を始めました。隙間をぬって捕食されたりして思うようにはいきませんでしたが、それでも蛹から羽化したアゲハチョウが何匹も飛び立ちました。あたりに山椒の木が少ないからと苗を買い込みあちこちに植えた妻の努力が少しずつでも実ることを願っています。

新型コロナの感染防止対策として院内滞在時間や接触の機会を減らすために、患者さんは原則駐車場待機、狭い中待合は使わず、待合室に1組と診察室に1組を入れ替えるようにしてから、困ったことが一つあります。誰もいない待合室でおもちゃを独り占めできるようになったためか、「いやだ、帰らない、もっと遊びたい!」と大泣きするお子さんが増えたことです。病院に来るのを楽しみにしてもらえるのは嬉しいことですが、最後は抱きかかえて玄関を出るお母さんの後ろ姿に、ちょっと複雑な気分です。

夏に流行する手足口病やヘルパンギーナも、秋から増加するRSウイルス感染症(気管支炎)も、昨シーズンは12月から流行したインルルエンザも、年末まで一人も診ませんでした。水ぼうそうやおたふくカゼも滅多に来ません。これら感染症の減少のため、新型コロナにより最も患者減少幅の大きかったのが小児科と言われています。当クリニックも例外ではありませんが、それでも診療を維持していけるだけの患者さんに来ていただき、ただただ感謝しかありません。ともかくも感染症の減少により子どもたちは”カゼをひかなく”なり、多くのご家庭にとって子どもの病気での心配事が少ない穏やかな1年になったことは確かでしょう。

新型コロナは多くに人に生活環境の変化をもたらしています。負の面もありますが、踏み出せずにいた一歩を踏み出すきっかけとなったことも少なくないはずです。我が家では仕事が減ってこれまでになく時間的な余裕ができ、妻に頼りっぱなしだった家事を少しずつカバーできるようになりました。「買い物は少ない人数で」ということで週に2回の買い出しは私の分担になり、最近は広いスーパーの店内のどこに何があるかもようやく把握できました。今年の目標は、老後への準備も含めて週に一回くらい夕食の支度をルーチンにしていけたらと思うこの頃です。

昨年は新型コロナに直面し、感染拡大を防ぐために消極的な意味での「新しい生活様式」が提唱されました。しかし最近その中から、この機会をチャンスと捉え、様々な前向きな変革が次々に起き始めているように感じています。今年が、「もし新型コロナの流行がなかったら見られなかったはずの新しい世界」の幕開けになることを願っています。

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