堀こどもクリニック

Menu

2020/08/31 ワクチンを受けよう!

ご存じですか? 予防接種の常識!

これから予防接種を進める方に、ぜひ知っておいてほしい基本的な原則をあげてみました。
当たり前のことから、中には「エッ、そうなの?」ということもあるかもしれませんので、ぜひ1度目を通して見てください。

ボルトとナットのメタルアート BONA 注射を持った看護師さん!

受けられるワクチンは、全て受けたたほうがよい

全てのワクチンは、その開発に長い年月と多大な費用をかけてでも防ぐべき感染症に対して、広く接種した場合の予防効果や安全性、社会的な有益製が検証された上で審査/承認されています。
受けなくても良いワクチンなんてありません。任意接種のワクチンも、定期接種のワクチンに劣らず大切です!

任意なのだから重要ではないのでは、というのは誤解です

長い年月をかけて、検証の済んだワクチンから、予算や生産体制を含む準備を行い、様々なワクチンが定期接種に組み込まれてきました。そしてそれは、現在も進行中なのです。
2014年から水痘ワクチン、2016年からB型肝炎ワクチンが定期接種化され、今年も(2020年)10月からロタウイルスワクチンの導入が決まっています。
現在は任意接種のおたふくかぜワクチンや、年齢対象外のお子さんの水痘ワクチン、B型肝炎ワクチンなどはぜひ接種をお考えください。

対象年齢になったら、少しでも早く接種を開始する

感染症を未然に防ぐためには、原対象年齢(月齢)になったら少しでも早く接種した方が有利です。
あまり小さな赤ちゃんに接種するのは心配、
新学期は忙しいからそのうちに、
今はインフルエンザが流行っているので病院につれていきたくない…
そうこうしているうちにかかってしまうことのないように。

複数ワクチン同時接種は、世界標準!

複数ワクチンの同時接種は、日本よりずっと早くから世界中で行われています。
日本小児科学会でも、「同時接種は子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であり、同時に接種できるワクチンの数に原則制限はない」との声明を出しています。
当クリニックでは2008年のヒブワクチン発売当初から同時接種を行なっています。
計画的な同時接種で受診機会を減らし、少しでも早く免疫をつけるようにしましょう!

「風邪っぽい」くらいでも接種は受けられる

予防接種ガイドラインでは、「明らかな発熱(37.5度以上)を呈している者」、「重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者」は接種不適当者としていますが、「急性疾患であっても軽症と判断できる場合には接種を行うことができる」とされています。
保育園や学校に行けるような体調であれば、予定されているワクチンの接種に支障ありません。
もちろん接種前の問診や診察時に、心配なことがあれば、ご相談の上で接種の可否を判断いたします。

熱性けいれんの既往があっても、接種をためらう必要はない

熱性けいれんガイドラインでは、「当日の体調に留意すればすべての予防接種を速やかに接種してよい」とされています。
→ 詳しくはこちら:リンク

卵アレルギーがあっても、原則として受けられないワクチンはない

現在、卵アレルギーで問題になるのは鶏卵を用いて製造されるインフルエンザワクチンだけですが、ワクチンに混入する卵白アルブミンの量は極めて微量です。
卵の摂取でアレルギー反応を呈したことのあるお子さんは接種要注意者とされてはいますが、重篤なアナフィラクシーを起こした場合を除き、接種は可能です。
もちろん、検査でアレルギー抗体が陽性に出ただけで接種を避ける必要はありません。
当クリニックでは、初年度2回は接種後に経過観察を行い、問題なければその後は普通に接種を行なっています。

期間は開いても、不規則になっても、そのままにせず、規定の回数を接種する

複数の回数の接種が必要な四種混合ワクチンや日本脳炎ワクチンでは、うっかり接種しそびれたまま年数が経過してそれに気づくことがあります。
その場合でも、残りの回数を接種することで一定の免疫はつきますので、ためらわずにご相談ください。

早産や低出生体重であっても、暦年齢に合わせて接種する

ワクチンの開始時期は、早産や低出生体重であっても、出生時からの合併症がないことを確認の上、一般乳児と同様に出生後の暦年齢を適用します。
それにより接種による副反応の増加の心配はなく、むしろワクチンの対象疾患にかかった時に重症化する可能性の方が懸念されます。

定期接種の対象年齢を過ぎてしまっても、任意接種で受けられる

定期接種の対象年齢を過ぎてしまっても、気がついたらなるべく早く任意接種で受けましょう。
その時点での接種の必要性や期待される効果など、気になることはお問い合わせください。

下のお子さんが受けていて、上のお子さんが受けていないワクチンがあったら、なるべく接種する

この10年あまり、世界標準に追いつくために様々なワクチンが導入されてきました。
そこでお子さんの年齢により、上のお子さんの時にはなかったワクチンを下のお子さんが受けていることがあります。(上のお子さんが任意で、下のお子さんが定期のことも。)
ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンのように年齢が大きくなれば必要のないワクチンもありますが、どの年代でも必要なワクチンについては、任意接種での接種をお勧めします。

一覧をみる