2020/08/31 ワクチンを受けよう!
ワクチンの疑問は迷わずかかりつけの小児科医に相談を!(2025/5更新)
接種し忘れたワクチンがあることに気がつきました。
年数が開いてしまっていますが、接種できますか?
母子手帳を用意して、かかりつけの小児科にお問い合わせください。原則として、年齢や間隔が規定より過ぎてしまっていても、接種の効果は期待できます。
既接種の回数や時期、現在の年齢などを説明して、残りの接種をどう進めたらよいか、相談してみましょう。
定期接種、任意接種とも、小児科以外(内科や耳鼻科など)でも広く接種は行われるようになってきていますが、様々なワクチンのスケジュールの許容範囲ややスケジュールを外れた場合の対応に精通した小児科医に相談するのが一番です!
任意であっても、他に受けることが望ましいワクチンがあるのか知りたいのですが?
同様にかかりつけの小児科医に相談して、これまでの接種歴を確認していただき、接種した方が良いワクチンがあれば、その種類と進め方について相談しましょう。
定期予防接種の問診票を紛失してしまいました。
そのまま接種に行っても良いですか?
問診票には、間違いが起きないよう対象者の氏名やワクチンの回数も印刷されています。
もしそれを紛失された場合には、問診票を持たずに来院せず、先に上田市(またはお住いの市町村)の健康推進課で再発行してもらって下さい。連絡をすればすぐに対応していただけるはずです。
母子手帳を紛失してしまいました、どうしたら良いですか!
まず、上田市(またはお住まいの市町村)の健康推進課にお問い合わせください。
最近は公費のワクチンの記録は全て電子化(データベース化)されていますので、接種歴を確認したり、必要があれば母子手帳の再発行が受けられます。
一方、電子化以前の記録や任意接種の記録は、データベースには存在しません。その場合は、接種した(と思われる)医療機関にお問い合わせください。接種歴が確認できた場合には、その記録がなくならないよう、再発行した母子手帳等に確実に記入しておきましょう。
今後麻疹や風疹に限らず、成人での感染の再流行などにより、ずっと後になってから接種歴(または感染歴)の有無を確認する必要が出てくるかもしれません。母子手帳は、思い出のためだけではなく、生涯にわたる大事な記録として大切に保管しておきましょう。
大学入学、就職等に際して指示された、抗体検査やワクチン接種を受けたいのですが?
書類には、必要な抗体検査の種類や判定基準、ワクチン接種の進め方について記載されているはずです。予め接種歴の記載された母子手帳と必要書類をお手元に、かかりつけの小児科に問い合わせてみましょう。抗体検査は通常数日で結果が出ますが、結果により追加接種が必要になった場合にはワクチンを取り寄せるなどの時間が必要になります。書類が届いたら、なるべく早めに準備をしてください。
大人になっても受けられるワクチンはありますか?
はい、ほとんどのワクチンは大人でも受けられます!
必要があれば接種できるワクチンには、以下のようなものがあります。
- 水痘ワクチン (未感染で、接種歴がないか1回だけの方)
- おたふくかぜワクチン (未感染で、接種歴がないか1回だけの方)
- 麻疹風疹混合ワクチン (未感染で、接種歴がないか1回だけの方)
- B型肝炎ワクチン (未感染の方:ほぼ全ての方が未感染と思われます)
- A型肝炎ワクチン (海外渡航で必要な方:1歳以上の全ての方に接種可能)
- 破傷風トキソイド (接種歴がない方、最後の破傷風トキソイドの接種から概ね10年を経過している方)
- 肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスとプレベナーの両方とも) (65歳以上で未接種の方)
- 帯状疱疹予防ワクチン (原則として65歳以上、公費接種が開始されています)
- RSウイルス感染予防ワクチン (原則として60歳以上*、任意接種です)
* 妊娠24〜36週の妊婦さんに接種して、新生児〜乳児期のRSウイルス感染症の予防に用いるワクチンも発売されました
また、下記の海外渡航時に接種するワクチンも該当します。
罹患歴やワクチン接種歴がない等で接種をお考えの方は、かかりつけ医にご相談くささい。
海外留学や赴任が決まり、渡航に間に合うよう必要なワクチンを受けたいのですが?
ご本人のほか、お子さんを含めて同行するご家族があれば、それぞれのこれまでに受けたことのあるワクチンの記録、渡航先の国名と期間、出発の時期などを確認して、かかりつけ医や”渡航外来”のある病院にご相談ください。
渡航先により必要なワクチンの接種計画、お子さんでは日本と異なるワクチンスケジュールの場合にそのずれをどうしたらよいかなどを検討して、遅滞のないように接種を行う必要があります。(指定された検疫所等でしか受けられない黄熱ワクチン等を除く。)
複数のワクチン接種が必要な場合には、ある程度の期間が必要なこともありますので、予定が判明したらなるべく早めに相談する必要があります。
任意のワクチンで、どの国に行くにせよ接種が勧められるワクチンにはB型肝炎ワクチン(未接種の大人、子ども)、国や地域により勧められるワクチンにはA型肝炎ワクチン(大人、子ども)や破傷風トキソイド(大人)、医療機関へのアクセスの悪い地域では狂犬病、寮生活を予定する留学生には髄膜炎菌ワクチンなどがあります。
海外赴任に際して、子どもさんの英文の予防接種証明書を作成してもらえますか?
予定が判明したら、早めにかかりつけの小児科に作成の可否についてご相談ください。作成が可能な場合でも、少し日数が必要なことが多いので、前項と同様に渡航前に必要なワクチン接種と併せてご相談していただくのが一番です。
国外から帰国したところですが、今後の子どもの予防接種はどのようにしたらよいでしょうか?
日本に来たばかりの外国人ですが、これから子どもの予防接種をどうしたらよいですか?
海外で発行された母子手帳またはワクチンの接種記録を用意して、かかりつけの小児科にご相談ください。
国によって、スケジュールや定期接種に使用するワクチンが異なることもありますが、接種済みのワクチンの種類や回数の記録を確認したうえで、日本のスケジュールで追加の必要なワクチンがあれば、滞りなく接種を行っていくようにしましょう。
それぞれの国のワクチンスケジュールや使用しているワクチンの種類はインターネットで調べることができますが、持参された外国語の記録と突き合わせて、日本のスケジュールでどこまで済んでいるのかを確認し、今後の接種計画を立てるには、少し手間のかかることがあります。余裕を持ってご相談ください。先に、可能な範囲で、過去の接種記録を日本語の母子手帳に転記しておくと、よりスムーズに相談が受けられるのではないかと思います。
身近なかかりつけ医で相談しても疑問が解決しない場合には、メールでご相談ください。可能な範囲で、対処方法についてお答えいたします。
きめ細かな対応には、手間や時間、スケジュールから外れた場合の接種の適応、定期接種の範囲で受けられるのか任意接種になるかの判断など、ワクチンに関する様々な経験や知識が必要です。もし何か解決しない疑問や相談事がありましたら、メール(mail@horikodomo-clinic.jp)でご連絡ください。(2025年5月28日記)