堀こどもクリニック

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たのしく絵本をよむ!

十二の真珠(ふしぎな絵本) やなせ・たかし

十ニの真珠 (ふしぎな絵本) やなせたかし 山梨シルクセンター 1970年

言わずと知れた、アンパンマンの生みの親、2013年に亡くなられたやなせたかしさんの初めての絵本です。

その前年1月から12月までPHP誌に連載された短編童話をまとめたもので、いわく「十二の真珠を並べたような十二編の童話を書こうと思って、一番最後のタイトルは十二の真珠と書く前から決めていた」。

これが初出のアンパンマンは、明るく元気なアンパンマンのイメージとはかけ離れたお話です。ちょっと悲しくジーンときます。

ヒーローもののアンチテーゼ、大人向けの作品とされていますが、自分はどんなに辛くても誰か必要とする人を元気づけたいという、やなせさん多くの作品の底にある思いの結晶の一つなのだと思います。

子どもたちにアンパンマンの真実は要りません、ただただ明るく子どもたちを元気づけるために存在しているのですから。

* 名作「チリンの鈴」を含むこの絵本は、2012年に復刊ドットコムから再出版されています。

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